健康的な毎日を送るうえで欠かせない酵素には、弱点があります。それは「熱に弱い」ということ。酵素はタンパク質の一種で、加熱すると構造が壊れて本来の機能を失ってしまいます。
北海道立理科教育センターが、酵素活性と温度との関係について実験したところ、酵素がもっとも活性するのが30~35℃くらいで、40℃を超えると活性が鈍くなり、48℃で活動を停止するという結果が出ています。
つまり、加熱処理をした健康食品やサプリメントは、たとえ酵素が多く含まれる食品を原料にしていても、酵素のはたらきが失われている可能性もあります。
※参考:北海道立理科教育センター(酵素反応実験の定量化「酵素の最適温度」)
【PDF】http://www.ricen.hokkaido-c.ed.jp/ht/411kenkyuukiyou/vol19/64%20endo.pdf
酵素を含んだサプリメントには、さまざまな種類のものが存在します。
ドリンクタイプなら、いつでも気軽にいただけますし、飲みやすい味であることも人気の理由でしょう。
しかし、水分の多いドリンクタイプは品質が低下しやすい商品でもあります。そのため、「飲料として販売する際には、加熱・殺菌処理をすること」が、食品衛生法で義務付けられているのです。
こうしたサプリメントは、ドリンクタイプだけではありません。錠剤でもカプセルタイプでも、製造過程で加熱している商品は多数あります。
しかし、酵素は熱に弱い物質です。高熱を加えた酵素は活動を停止してしまいますので、本来持っている機能は失われているといえます。
普段の食事でも、加熱した食材には酵素が少なくなります。たとえば、ゆで卵よりも生卵のほうが酵素を多く含んでいるのです。
それは、健康食品やサプリメントでも同じです。加熱処理が行われていない場合、酵素の構造が失われることなく、生きたままの状態でサプリメントになっているといえます。
そのため、酵素を補う健康食品やサプリメントを購入する際には、
「非加熱かどうか」に注目して、商品を選んでみるとよいでしょう。